映像を使った宣伝広告と言えば、テレビCMを想像する人は多いでしょう。
しかし映像を使った広告は、テレビCMのほかにもいくつかの種類があります。
例えばテレビメディアを使った広告以外にも、インターネット広告やSNS広告などを目にする機会も増えているのではないでしょうか。
今回はそういった映像広告の中から、お天気フィラーを紹介します。
また、テレビCMとの違いや近年目にする機会が増えてきたインターネット広告についても解説していきます。
映像広告の効果
はじめに、映像広告または動画広告は、静止画と比較して、多くの情報を伝えることができます。
そのため、静止画よりも視聴者の印象に残りやすく、高い宣伝効果が期待できます。
映像から人が得られる情報量は、写真やテキストと比較しても、約5000倍とも言われており、短時間で多くの情報を伝達できる手段になります。
次に「お天気フィラー」とは、どういった映像広告を指す言葉なのでしょうか。
お天気フィラーとは
まず「フィラー」とは、つなぎ、緩衝材などを意味し、テレビなど放送の分野では放送中の番組に間があるときの
「つなぎの映像」
を指します。
主に、ストーリー性を持たない風景描写やフィルム映像が使われるのが一般的です。
番組休止中の時間帯などに放送される短い音声や映像、番組内容の急な変更などにより放送される「つなぎ番組」をフィラーということもあります。
こういった映像のうち、天気予報・気象情報番組で使用される気象情報以外の背景・映像・BGMなどの要素を「お天気フィラー」と呼びます。
読者の皆様も一度は御覧になった経験があるのではないでしょうか。
お天気フィラーの効果
お天気フィラーの広告は、風景や情景を放映するので、映像に登場するものの「ありのまま」を伝えることができます。
特に飲食店、美容サービス、観光、自動車ディーラー、医療関係企業など、サービス内容が明確且つ視覚的に宣伝できる業種・事業に向いています。
飲食の会社であれば、おわんから湯気がでている味噌汁。
観光の会社であればビュッフェ形式で朝食を楽しむカップル。
イメージが伝えやすい業種にはピッタリです。
また、遊園地や大学、各種教育機関などにも最適な広告媒体でしょう。
直接的な商品の宣伝ではなく、事業そのもの紹介の側面が強いので、事業の周知という効果が期待できます。
また、お天気フィラーは、一般的に時間帯によって価格が変動する複数月契約になります。
→通常は2クール(6ヶ月間)以上の放送で契約するケースが一般的です。
メリット
お天気フィラーは、気象情報番組中の背景として映像を流すため、、通常のCM(15秒、30秒)よりも長い尺を使って事業や商品の魅力を伝えることができます。
地方においては、朝や夕のニュース番組などの天気予報でよく使われている宣伝形式です。
コマーシャルではなく番組内の映像なので、番組事態を集中して視聴してもらえることが多く、高い刷り込み効果を期待できます。
また、番組コンテンツ放送となるため、放送契約料と製作費が一体となっており、コストパフォーマンスが高いこともメリットです。
デメリット
お天気フィラーに関する注意点は、映像を見ただけでは伝わらない事業の広告には使いにくいことです。
多くの人に周知することができても、事業やサービス内容が伝わらなければ、顧客の獲得に直結させることは難しいでしょう。
また、顧客の反応がわかりづらいこともデメリットといえます。
これはお天気フィラーに限らず、テレビCM全体のデメリットとなります。
テレビCMについて
お天気フィラーは、強力な刷り込みを期待できるので、企業イメージや認知度UPに適していると言えます。
また二次的な効果として従業員のモチベーションの向上、人材募集時の応募率向上などにも繋がります。
そもそも、テレビを利用した広告にはCM(コマーシャルメッセージ)があります。
CMには、タイムCMとスポットCMがあり、これらは目的によって使い分けられます。
タイムCM
タイムCMは、いわゆる番組スポンサーとして利用する枠です。
提供表示するかどうかも選択でき、視聴率の高い番組であれば多くの人に見てもらうことができます。
番組によってターゲット層が異なるため、番組の内容や放送時間を踏まえて利用を考える必要があります。
2クール(1クール=3カ月)からの契約が多く、短期的な宣伝には不向きです。
また、契約の内容的に広告料が高くなるため、基本的は大企業などが利用する枠となります。
スポットCM
スポットCMは、最小15秒のCMで、番組と番組の間に放送されます。
放送枠に対する購入期間の制限はなく、以下のような平日・土日と時間帯で分けられた枠を購入できます。
・曜日を問わず全日
・平日の朝・昼・夜、土日の全日
・平日の朝・夜、土日の全日
・平日の夜、土日の全日
時間帯に合わせた視聴者がターゲットとなり、期間を自由に設定できるので短期に集中した販促に向いていると言えます。
キャンペーンを打つ場合や、季節によって売上が大きく変わる場合に有効でしょう。
15秒から時間枠を購入できるため、十分な広告宣伝費を用意できない事業者であってもテレビCMを流すことができます。
テレビCMはターゲット層を決めて放送時間を決定するため、ターゲットを選定できるというメリットがあります。
また、テレビメディアであるため幅広い層の視聴者への影響力があり、事業やサービスにポジティブなイメージを持ってもらいやすいことも特徴です。
ただし、テレビ離れが進んでいる若年層へはリーチしづらい点には注意が必要です。
インターネット広告
現代では、パソコンに加えてスマートフォンやタブレットといったインターネットデバイスの多様化と普及に伴い、新たなWeb上のサービスや広告が登場してきました。
インターネット広告とは、映像に限らずインターネットのWebサイトやスマートフォンのアプリなどに掲載される広告のことを指します。
テレビCMや新聞など、従来の広告と比較して低コストでターゲットを絞った配信ができるため、幅広く利用されるようになりました。
また、広告の閲覧数やクリック数、広告を経由した問い合わせ数などをデータに残せるので、効果測定しやすく、今後の施策に反映させやすいことも利用する企業が多い理由でしょう。
インターネット広告の種類
インターネット広告には種類があります。
どのようなものなのか、例を紹介します。
ディスプレイ広告は、ニュースサイトや情報サイトなどの広告枠に表示される広告です。
バナーでの表示が多いため、バナー広告とも呼ばれます。
文字と画像を組み合わせた広告で、認知拡大を目的として利用されることが多いです。
リスティング広告は、Googleなどの検索エンジンにおいて、検索結果に連動して表示される広告のことを指します。
事業の商品やサービスに関連するキーワードを結び付けておき、そのキーワードで検索を行ったユーザーに表示させる仕組みとなっています。
特定のジャンルやサービスの情報を収集しているユーザーに対しての広告表示となるため、購入や問い合わせの誘導に向いているといえます。
動画広告は、その名の通り動画を使った広告です。
Youtubeなどの動画プラットフォームで、コンテンツの前後などに自動再生される広告です。
その他にもWebサイトやSNSの広告枠に配信される動画広告もあります。
インターネット広告のデメリット
低コストで始めることができ、ターゲットに合わせた広告を表示できるインターネット広告ですが、ターゲット層が合致しなければ、その効果を得ることができません。
刷り込みという観点からも、興味のない広告は目障りに感じることもあり、(かえ)却って悪い印象を与えてしまう可能性もあります。
そのため、ターゲット層が曖昧なサービスや、地域に特化したサービスなどの場合、望んだ効果は期待できないことに注意しましょう。
まとめ
今回は、主に映像広告について紹介しました。
映像による広告は、テキストや静止画と比べて多くの情報を伝えることができます。
しかし、ターゲット層や広告媒体を間違えてしまい、適切な方法で映像を流せなければ、期待した効果を得ることはできません。
また、費用や効果など様々な面から考えた場合、最適とは限らないこともあります。
自社にとって広告を打ち出す目的は何か、ターゲットは誰かなどを明確にした上で、適切な広告媒体を選択できれば、高い効果を期待できるでしょう。